日本石灰窒素工業会

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農家の使用体験記|技術情報

石灰窒素を使って20年基肥、残渣腐熟の効果を実感

神奈川県横浜市 有田さん

 神奈川県内、三浦市に次ぐキャベツ産地である横浜市において、神奈川区は主力産地のひとつとなっています。有田さんは、キャベツを中心にトウモロコシ、ブロッコリーやロマネスコなどを栽培するJA横浜の管内最大手の出荷生産者です。
 夏に定植したキャベツの収穫作業がお忙しいなか、取材に応じていただきました。
 有田さんが石灰窒素を使い始めたのは約20年前、キャベツの基肥として施用しました。
 「キャベツの栽培を始めて数年、最初は良かった生育が年を経るごとに悪くなりました。そこで、知り合いの生産者に相談したところ、石灰窒素を紹介されました」と有田さん。
 最初、石灰窒素を紹介されたときは「長く効いて(緩効性)、農薬の働きもする変わった肥料があるのかと思いました」とのお話でしたが、実際に施用してその効果を実感されたそうです。現在では、基肥としてほかの肥料と組み合わせて石灰窒素を30㎏/10aほど施用しているとのことでした。
 その後、キャベツ栽培の前作にトウモロコシの栽培を始めたとき、石灰窒素の別の効果を実感されたそうです。
 「以前はトウモロコシの収穫後、そのまますき込んでキャベツを栽培していましたが、やはり生育が悪いことがありました。そこで、神奈川県農業技術センターに相談すると石灰窒素の施用を勧められました」
 農業技術センターからは、トウモロコシの茎葉をそのまますき込むと、有機物を分解する微生物によって土壌中の窒素が使われ、一時的に窒素飢餓の状態になるので、有機物のすき込みには窒素分の補給が必要なことと、そのときに石灰窒素を施用することですき込んだトウモロコシ残渣の分解が進み、土づくりにも役立つという説明があったそうです。
 そこで、6月のトウモロコシ収穫後に石灰窒素を60㎏/10a散布してすき込み作業をしたところ、次作キャベツの圃場準備のトラクタ作業で、ロータリーにからむトウモロコシ残渣が少なくなり、石灰窒素の効果を実感したとのことです。
 石灰窒素を使い始めてから約20 年、「今後も主要作物のキャベツ、トウモロコシに石灰窒素を有効活用したい」と有田さんは力強く語っていました。
(取材:片倉コープアグリ㈱渡辺、江原)

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    「今後も石灰窒素を有効活用したい」という有田さん

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